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労働問題を解決する手段としてのADR・労働審判|社労士を活用するメリットとは

ADRや労働審判は、裁判に比べて短期間かつ低コストで労働問題を解決できる手続きのことです。社労士や特定社労士の支援を受ければ、助言・証拠整理・調整役として心強い味方となり、複雑な労務トラブルにも対応可能です。

ADR・労働審判

ADRと労働審判はまず社労士に相談
ADRと労働審判は労働問題や紛争を解決するための手続きで、社労士がサポートしてくれるケースがあります。
まずはADRと労働審判の概要をご覧ください。

 

ADRとは

ADR(Alternative Dispute Resolution)を和訳すると「裁判外紛争解決」です。
裁判所を利用せずに調停委員や仲裁人など第三者を通じて紛争を解決する方法で、労働問題だけでなく民事や商事など幅広い分野で利用されています。

 

労働者と使用者間のADRは労働紛争調整委員会民間の調停・仲裁機関などを活用するケースが多く、裁判所での手続きよりも低コストかつ柔軟でスピーディーな解決が可能です。

 

弁護士は必要?

一部のADR制度では、調停委員や仲裁人のサポートを受けながら当事者同士が直接話し合って解決を目指すため、双方が弁護士を立てずに進めるケースがあります。
ADRは紛争を簡易的に解決させる手段であり、顧問弁護士がいない中小企業が弁護士なしでADRが実施するのは珍しいことではありません。

 

複雑な法律問題や高額な金銭請求、法的な争点が多い場合は、弁護士を使うのが一般的です。
ADRの制度や規則によって異なりますが弁護士や裁判所の指定代理人が必要とされるケースが多く、社労士が正式なADRの代理人になることは原則ありません。

 

社労士は代理手続きなど直接的な解決ではなく助言や資料・証拠の整理、調整役などでADRをサポートしてくれます。
労働問題の専門知識がある社労士は、ADRで心強い存在です。

 

労働審判とは

労働紛争を迅速に解決するための裁判制度で、賃金や解雇などの争議に適用されることが多いです。
労働審判法に基づき、裁判官と労働審判委員会の合議体が審理します。

 

通常の裁判よりも短期間で判決や決定が出されるメリットがあり、決定が出るまでの期間は原則として3か月以内です。
裁判所の手続きですが、比較的簡易で迅速な解決を目指しています。

 

労働審判は労働者側(従業員や元従業員)が申し立てるケースが多いです。
労働審判は比較的短期間で解決を目指せるメリットがあり、費用や手間を考慮して本人が直接申し立てや対応を行って労働者側は弁護士なしで進行することがあります。

 

企業側(使用者側)は弁護士を代理人としてつける割合が高いです。
顧問弁護士がいない場合は、社労士に相談して弁護士を付けるべきか相談してみるとよいでしょう。

 

訴訟に発展することはある?

訴訟に至る可能性は?
労働審判の決定に不満がある場合は原則として2週間以内に異議申立てをして、審判の決定取消・やり直しを求めることができます。
不服申立をしても、根拠が不十分だと却下されて審判が確定されることがあります。

 

労働審判は比較的簡単な事案で活用されることが多く、複雑な状況では最初から訴訟で手続きするのが一般的です。
弁護士などの専門家に事前相談するなど入念な下調べをして労働審判を起こされた場合は、労働者側の主張が認められるケースが多いことを覚えておいてください。

 

労働者側の主張に正当性がある場合は、非を認めて示談やADRで迅速に解決できないか検討するとよいでしょう。

 

予防と再発防止

社労士は労働者との紛争が起こらないように予防策を講じることや、ADR・労働審判で結論が出た後のサポートと再発防止策に強いです。
起こってしまった紛争の解決については、専門性が高い弁護士に相談しておくと安心です。
必要に応じて証拠や資料の整理を社労士に依頼すると、迅速で有利に解決できる場合があります。

 

特定社会保険労務士

特定社会保険労務士とは一般の社労士資格に加えて、一定の条件を満たした専門的な資格を持つ社会保険労務士のことです。
一定の実務経験や研修を修了して通常の社労士より専門的な知識を持っているため、複雑な労働・社会保険の問題や紛争に対して的確なアドバイスをしてくれます。

労働トラブルの未然防止や労働条件の整備、労働紛争の予防策について深い知識を持っているため、必要に応じて顧問社労士ではなく外部の特定社会保険労務士にADR・労働審判をする方法もおすすめです。
紛争に関するサポートを重視している場合は、はじめから特定社会保険労務士と顧問契約を結んでおくとよいでしょう。

なお、特定社会保険労務士の顧問料は高額な傾向が強く、中小企業でも顧問料が月に10万円を超える場合があります。